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東大寺二月堂「修二会」(お水取り)

東大寺二月堂「修二会」(お水取り)
 (写真は東大寺長老守屋弘斎老師)

 3月13日夕、東大寺の二月堂にいた。

 七時、天平の鐘が時を告げると、照明は消され、
 11人の<煉行衆>と呼ばれる僧侶が大松明に足元を照らされ、
 次々と堂に登り二月堂に入る。
大松明は堂の舞台の高欄を*動いて更に燃え上がり火の粉を
 撒き散らす。 堂の下に詰めかけた人々は一斉にどよめく。
  *写真:asahi.com 2010/3/01 掲載の諫山卓弥氏撮影

 やがて、大松明の火炎を見終えた人々は立ち去って行き、
 二月堂の内陣では練行衆の行が続く。

 「お水取り」で知られる東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)は
 3月1日から14日まで行われる法会で、本尊の十一面観音の前で、
 日常犯している過ちを懺悔し清浄な心を取り戻すために行われる。
 天平752年に始められて以来、途絶えることなく受け継がれ、
 今年は1259回目となる。

 平城遷都1300年記念事業協会の中山さんのご手配により、
 東大寺長老の守屋弘斎老師のお話しを伺うことができた;
  老師は、1941年に東大寺に入寺、第214世別当、華厳宗管長
  をつとめられた。現在は塔頭「知足院」住職。
 行は「別火」と呼ばれる前行9日間と、「本行」14日間からなり、
 行の間は食事は一日一回、普段の生活を断って心身を浄め、
 本行に備える。本行の折に身に着ける衣は和紙をしぼって
 整えるのも前行の一つ。

 懺悔の所作だが、板敷きに身を投げ打ち、膝をつき肘をつけ
 額をつけ罪過を悔い、観音菩薩を讃え慈悲を乞う。「五体投地」
 という。荒行である。
  老師はこの行を31回勤められたそうだ。そのせいもあってか
  顔の艶、伸びた背筋、とても82歳とは思えない。
  「おかげで風邪はひきません」とのこと。
 
 内陣に入る。「南無観自在菩薩」「南無観自在」と発する行は
 激しく力強い。練行衆の行を眼直に懺悔と祈りを体感する。
 法会に参加した気分で二月堂を後にした。

 お水取りが済むと奈良は春。桜の蕾がふくらんできた。
 
  木村隆之

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