バイオロギング
めーる通信#49号
バイオロギング
「動物たちの不思議に迫る
バイオロギング」という本が
出版された。
めーる通信No13*で紹介した京大情報学研究科(生物圏情報学講座)
荒井修亮さんが会長の日本バイオロギング研究会のメンバーによる
フィールドワークの成果がいろいろ紹介されていて興味深い。
動物好き人間には楽しい本だ。
*http://www.c-design.jp/mail_13.html
「メバルは鼻で家路につく-メバルの帰巣能力」
京大の三田村さんは、底魚で定着性の高いメバルが棲家を離れると
どうするか調べた。捕えたメバルに小さな超音波発振機をつけて、
数キロ離れたところから離した。すると数時間後には時分の棲家に
帰ってきた。その秘密は何か?メバルは目張と表記されるように
大きな目をしている。眼力かとアイマスクをかけてみた。が予測に
反して一目散に帰ってきた。もしかすると、と思い小さな鼻にワセ
リンで嗅覚をなくしてやってみた。すると、帰巣できなかった。
どうやら匂いで帰巣する、ということがわかった。*
*閑話休題 酒飲みの帰巣能力 「記憶がなくなるまで飲んでも、
なぜ家にたどり着けるのか?」という本がある。深く酔うと脳の
海馬が麻痺して記憶がつくれず記憶がなくなるが、過去の記憶は
残っていてナビゲーション・ニューロンが働き帰り道がわかる
らしい。これは脳科学の研究成果。
バイオロギングは、動物にセンサーや電波発信機を積み込んだデータ
ロガーを装着させ行動を調べる。ヒトが追跡できない空や海の中での
動きがわかる。これによって動物生態学はずいぶん進歩した。
日本バイオロギング研究会編
京都通信社刊 \2000
ホームページから注文⇒
www.kyoto-info.com/kyoto/
もくじ
この本を手にされたみなさまへ 荒井修亮
第1章 バイオロギング入門
第2章 ウミガメ
アオウミガメ 母ガメは浜と餌場を700kmも大移動
アオウミガメ 子ガメの未来は測れるか
アカウミガメ クルクルまわって、こまめに方向修正
タイマイ 飼育ガメは「野性」を取り戻せるか?
アオウミガメ ウミガメだって日光浴で体温調整
第3章 海の哺乳類
ウェッデルアザラシ アザラシは教育ママ
バイカルアザラシ バイカル湖でアザラシのメタボ検診
ウェッデルアザラシ アザラシは真っ暗な海中でも迷わな
マッコウクジラ 「眠る?マッコウクジラ」と眠れぬ私
スナメリ イルカは先をお見通し
ジュゴン ジュゴンはいつ鳴く?
第4章 魚類
シロザケ 母川をめざす「サケの旅」を遡る
シロザケ サケだって、たまには休憩したい
シロザケ サケは「晴れの日」を待って産卵する
クロマグロ クロマグロは水温変化に敏感だった
クロマグロ 養殖クロマグロの「腹のうち」
マンボウ マンボウには翼があった 渡辺佑基
アナゴ ICタグでアナゴの資源管理
マダイ 魚の王様・マダイの「絶食ダイエット」
ヒラメ 海を滑空するヒラメ
アカアマダイ 天然アカアマダイは品行方正
シロクラベラ 放流されたシロクラベラの行動は?
コイ 「エリ漁」の伝承を科学する
メコンオオナマズ 巨大メコンオオナマズは動かない
第5章 鳥類
アデリーペンギン歩くか、這うか?
アデリーペンギン 子育てには「個性」があった
リトルペンギン はばたけリトルペンギン
アデリーペンギン 酸素を節約して楽々潜水!
ヒゲペンギン/ジェンツーペンギン ペンギンたちの未来を
左右するもの
ハシブトウミガラス 潜水能力の秘密は「羽ばたき調節」
オオミズナギドリ 月の満ち欠けと一致するオオミズナギ
ドリの行動パターン
カツオドリ 巣立ったカツオドリを追って
カワウ 逃げる魚を追うカワウ、そのスピードは?
第6章 バイオロギングでこんなことまで!
【コラム】
フィールドワーク奮闘記
1 無人島生活のお楽しみ
2 オサガメを追って熱帯のギアナに
3 極寒のタイガの森においてきぼり
4 母の帰りを待ちわびて……
5 クジラを追って山に登る!
6 逃した獲物は世界最大の哺乳類
7 広大な揚子江の小さなスナメリ
8 Nature calls me 市川光太郎
9 アマゾンのマナティー調査
10 サケの幸運を祈ってくれ!
11 幻の魚「イトウ」を追って
12 船上でひたすらマグロを待つ
13 「ペンギン村」を訪ねて
14 氷の下のコウテイペンギン
15 南極越冬生活の知恵──新聞発行の謎
16 無人島でオオミズナギドリ調査
知れば知るほど…
1 知りたくなかった「涙の真相」
2 聞こえない音をどう使う?──イルカとワカモノの共通点
3 八重山のジュゴン伝説
4 産卵中に心臓停止?
5 心電図で魚のご機嫌をうかがう
6 メバルは鼻で家路につく
7 南極のペンギンたち
木村隆之
